研究紹介(金)

有機系太陽電池(バルク-へテロ接合型有機薄膜太陽電地、色素増感太陽電池)の作製及び特性評価

有機系太陽電池の研究

安心・安全と環境の両面から、主要な再生エネルギー資源として太陽光に大きな期待が寄せられている。現在、一般家庭への普及も始まっている無機系シリコン太陽電池の発電コストは、シリコン原料の価格が割高であり、装置設置場所の限界により、さらなる太陽電池の低コスト化や製品の柔軟性が不可欠である。


1.バルク-へテロ接合型有機薄膜太陽電池

バルク-へテロ接合型有機薄膜太陽電池は、比較的安価な原料を使用し、上記の障害を克服する有望な候補の一つとして注目されている。バルク-へテロ接合型有機薄膜太陽電池は、電極間に太陽光を吸収してキャリア生成を行う活性層を有し、その両側にキャリア輸送を促進させるバッファ層を持つ構造である。高酸性度・腐食性・吸水性を持つ従来の導電性ポリマー陽極バッファ層の代わりに化学的に安定な酸化物薄膜を用いることで太陽電池の性能向上を目指しています。


2.色素増感太陽電池

酸化チタン表面にルテニウム色素を吸着させ作製した光電極を白金のような対極との間を電解液で満たすという簡単な素子構造である色素増感太陽電池は有機系太陽電池の中で最も変換効率が高く、しかも軽量で、フレキシブルな素子を作製できるため、将来的に様々な分野への応用が生まれることが期待されています。さらなる効率向上のために、様々な形態を有する酸化物ナノ構造を有する色素増感太陽電池の研究開発を行っています